一畑薬師の日々

花まつり

更新日:2016.04.09

20160408_hanamatsuri平成28年4月8日(金)「花まつり」 例月祭ようかさんで厳修しました。花御堂(はなみどう)は4月10日(日)まで本堂の前に出しています。

●ルンビニィ ~花まつり~

 「Lumbini」 それは仏教の開祖・お釈迦様ご生誕の地なのです。現在のネパール南部にある小さな村で、仏教を広めたアショカ王が巡礼したときに建立した巨大な石柱、お釈迦様が産湯をつかったという池などが残っています。重要な仏教聖地であり、ユネスコの世界文化遺産にも登録されています。私が訪れたのは25年前の2月、雨の少ない乾季にあたり、さわやかな風が吹く美しい土地でした。

 4月8日は「花まつり」、お釈迦様がご生誕になった日です。桜の花の美しい季節です。一畑薬師でも、花御堂という小さなお堂を出して、中央にまつられた小さな誕生仏に甘茶をかけてお祝いします。九つの竜が天から浄らかな甘露の雨を注いで産湯としたという伝説に由来するものです。

 紀元前5世紀、インドは戦国時代、小さなシャカ族の国王家に念願の王子が授かりました。お母様のマーヤ夫人は実家へ里帰りなさる途中、休憩のため「ルンビニィ」の花園へ立ち寄られます。仏伝よれば、夫人が身体を浄める沐浴の後、20歩を歩まれたとき、さわやかな陽光の中に赤い花の咲き乱れたアショカの木(無優樹)に右手が触れ、王子を出産されたのです。
王子はすぐに自らの力で7歩を歩み、右手で天空を指し左手で大地を指して「天上天下、唯我独尊」と声を発したと伝えられています。

 「私たちの命は、大宇宙の中に縁あり生かされて授かった尊いもの」であり、「それぞれが唯一のもの」であり、「あたりまえではなく有ることが難しいもの」なのです。生きている、生かされていることへの「感謝」。「おぎゃ~っ」生まれくる素晴らしいメッセージです。

飯塚大幸(一畑薬師管長)