一畑薬師の日々

中国・香山教寺の修行僧

更新日:2014.09.23

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 中国・香山教寺の修行僧、徳聞さん(上右)、定興さん(上左)が2泊3日で一畑寺に修行滞在しました。師匠の仏祥禅師御一行来山後、仏祥禅師は先に中国に帰り、お弟子二人が日本に残りました。中国観音霊場の寺院で、数日ずつ数か所で滞在するというハードなスケジュールです。

 彼ら31才と29才で、一人は出家して14年、一人は5年です。ともに高い見識と願心をもち、日本の生活、修行や作務を一生懸命勤めました。宿泊は一畑山コテージ

 私は中国語が話せませんのでもっぱら筆談です。彼らはスマートフォンの翻訳アプリを巧みに使います。日常会話は十分ですが、深い話しはできません。そこで、T氏の奥さんに通訳をお願いしたところ、急遽ご夫婦で来てくれました。結果、素晴らしい通訳のおかげで、とても興味深い話し合いのひとときを持つことが出来ました。Tさん、奥様、本当にありがとうございました。

 そのT氏曰く。「特に、印象的だったのは次の3つでした。ひとつは日中仏教の違いについて。仏の教えが広く受け入れられることが目的なので、根本の部分が守られるのであれば、地域や時代に応じた『変化』があっても全く問題ない、という昼食時のお話。ふたつ目は、危険な海上の往来で多くの命が失われた遣唐使の方が命懸けで学んだ仏教。その伝統の多くは日本のみで引き継がれていることも素晴らしいことと思いましたが、時代を経て、真摯に日本に学びに来られようとするその姿勢に、大変感銘を受けました。誰の論文かは忘れましたが、『辺境にこそ文化は残る』という言葉を思い出しました。3つ目は、管長様が中国を訪ねられるにあたり、中国語でのお経の読みを学ぼうとされていること。」 

 そのお経は「爐香讃(ろこうさん)」です。日本では(私たちの宗派では)称えません。この旋律は美しいですね。
ところで、般若心経、薬師経、観音経、大悲呪など、ほとんどのお経を一緒に称えることが出来ました。私たちは日本語で、彼らは中国語です。素晴らしいことです。

 飯塚大幸(一畑薬師管長)