謹賀新年
更新日:2016.01.01
新年明けましておめでとうございます。本年もよろしくお願いいたします。お釈迦様は、自らの修行体験から、好きなこと心地よさばかりの快楽を求める生き方ではなく、苦しみばかりに堪え続ける禁欲の生き方でもない。バランスの取れた、かたよらない道を説かれました。それが「中道」です。
「比丘(弟子)たちよ、出家した者はふたつの極端に近づいてはならない。第一に様々な対象に向かって愛欲快楽を求めること。これは低劣で卑しく世俗的な業であり、尊い道を求める者のすることではない。第二に自らの肉体的消耗を追い求めること。これは苦しく、尊い道を求める真の目的にかなわない。比丘たちよ、私はそれら両極端を避けた中道をはっきりと悟った。これは人の眼を開き、理解を生じさせ、心の静けさ、優れた智慧、正しい悟り、涅槃のために役立つものである。」 これはお悟りの後、最初の説法(初転法輪)において真っ先に述べられたことだったそうです。
「琴の弦は、締め過ぎても、緩め過ぎても、いい音は出ない、程よく締められてこそいい音が出る。比丘の精進もそうあるべきだ。」 悩む修行者にはこのように説かれています。「中道」~かたよらない道~ を歩みましょう。
飯塚大幸(一畑薬師管長)
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【色紙】 揮毫:飯塚大幸管長 / 画:小田中久良子先生(染色師)