一畑薬師の日々

謹賀新年(平成29年)

更新日:2017.01.01

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年頭法話 「愛語」 ~やさしい言葉~

 新年おめでとうございます。今年は「酉」の年です。「酉」とは「ちぢむ」の意、作物でいうと「成熟きわまり収穫できる」ときなのだそうです。これを人生にたとえれば「成る」「実る」「成熟」ということで、皆様にとって、今年がよい年でありますようご祈念を申し上げます。

 「酉」とは「鶏」、にわとりは弥生時代に中国大陸から伝えられて、最初は卵や食用よりも鳴き声で「時を告げる」という役目を大切にされていたそうです。丑の刻(午前2時頃)に鳴くのを「一番鶏」、寅の刻(午前4時頃)に鳴くのを「二番鶏」といわれ、元旦の第一声は「初鶏」として、新春の季語にもなっています。

 「愛語」はお釈迦さまの教えです。やさしい言葉、心のこもった温かい言葉という意味で、「和顔」(なごやかな顔)とあわせてよく使われます。これは誰でもできることですが、なかなかできない行為でもあります。日頃から意識して「愛語」の習慣を持ちたいものです。

 「ありがとう」は魔法の言葉といわれます。感謝するから「ありがとう」と言うのではなく、言葉に出すうちに心は感謝の念に満たされてくるという不思議な世界があります。朝起きてから何回の「ありがとう」を言ったのか、毎日数えてみるとよいでしょう。心を込めて「愛語」に努め、満たされた一年をいただきましょう。

一畑薬師管長 飯塚大幸
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【色紙】 揮毫:飯塚大幸 管長
画:小田中久良子先生
(染色師)