謹賀新年(2019年)
更新日:2019.01.09
年頭法話 「驀直去」 (まくじきにされ)
~まっすぐに生きる~
新年おめでとうございます。今年は「亥」の年です。「亥」とは「とざす」の意、植物でいうと「草木の生命力が種の中に閉じ込められている」ときなのだそうです。
仏教では「種智」ことを説きます。「種智」とは「タネの中には仏さまの智慧が詰まっている」ということで、すべての人には「仏の心」が宿っていることを教えています。宿ってはいるのですが、私たちは煩悩に包まれて見失っているので、はっきりと現れるように勤めなければなりません。これを説いているのが仏の道です。
動物は「猪」です。古来、私たちの生活にもっとも近い存在で、田舎では増えすぎて嫌われているようですが、本来は可愛らしい動物です。猪は「無病息災」「子孫繁栄」の象徴とされています。
さて、干支の色紙には「驀直去」と書きました。この禅語は「まくじきに去れ」と読み、文字通り「わき目をふらずまっすぐに行きなさい」という意味です。決断ができず迷うことがあります。定まらずに右往左往することがあります。人生の生きる道はまっすぐです。迷わずまっすぐに生きて行きなさい。そう教えている言葉です。 お薬師さまに守られて「まっすぐに」生きましょう。「心の目」をひらく、善い一年でありますようご祈念を申し上げます。
一畑薬師管長 飯塚大幸
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【色紙】 揮毫:飯塚大幸 管長
画:小田中久良子先生
(染色師)