3月の言葉「ふきのとう」
更新日:2025.03.05
ふきのとう
皆様こんにちは。管長(住職)の飯塚大幸です。長い寒波も過ぎ去り、春を感じます。雪解けの中、フキノトウを見つけました。これから一畑薬師の周辺の山にもたくさん出てきます。皆さんの周囲ではいかがですか。
ご存じのように、フキノトウは成長するとフキになります。フキノトウはフキの花のつぼみです。つぼみが開いた後、別の場所から茎が伸び、葉を広げたものがフキです。
フキノトウは、てんぷらやフキ味噌など、美味しい早春の味覚です。さらに、骨の形成を助けるビタミンK、余分な塩分を排出するカリウム、貧血や動脈硬化予防に役立つ葉酸などの栄養素もたっぷり含まれているそうです。さっそくいただきたいですね。
何で植物の話?と思われたかもしれません。実は昨年、一畑薬師の境内を舞台にして「和ハーブ協会」主催の7回通しの講習会が開催されたのです。せっかくだから私も参加してみましたら、とても奥深い世界ですっかり虜になりました。「和ハーブ」とは、古くから日本の暮らしや健康を支えてきた有用な植物と定義されています。
自然から学ぶことは多いです。古くアニミズムの時代から、人間は自然に畏敬の念を抱き、生かされているという意識を持っていました。仏教ではこれを法(ダルマ)と言い、これを悟る(心の底から実感して生きる)ことを説いています。
わたしたちは、天地自然の中で生かされている「いのち」です。その「いのち」は、過去から現在、そして未来へとつながっている、大いなる流れの中の一瞬の輝き、そういう気がします。
寒暖を繰り返し、暖かい春に近づいています。日々新たなり。どうぞご自愛ください。
令和7年(2025)3月1日